神宮前オフィス・店舗|クリエイター向け複合施設
EDIT
明治通り沿いにあるBEAMSの裏手にあたる通称とんちゃん通り。少しガチャガチャした賑やかなその通りから、さらに脇道を少し入ったところにこの建物はあった。2013年にクリエイター向け複合施設としてオープンしたこの建物。2・3Fはシェアオフィス、1Fはテナント区画やラウンジスペース、貸し会議室なども併設されており、そこで飛び交う会話の多くもクリエイティブな話で、まさにクリエイターには恵まれた環境だ。
そんな建物の顔とも言える、1Fの正面入り口にあるこの区画。3面ガラスで囲われた小さな空間で、水回りや打ち合わせなどは共有部で出来るとしても、その室内はほんの16㎡ほど。詰めて3~4人分ほどのデスクがせいぜい置けるぐらいだろうか。しかし、この区画の面白いところが、室内+屋外テラス付きという点。しかも正面の右半分全てがこの区画だけに許されたエリアで、その大きさは合計28㎡ほど。室内の倍近い大きさとなる。そこには骨組みも建てられ、ビニールカーテンによって開閉も自由なスペースとなっているので、春夏秋冬、晴れだろうが雨だろうが雪だろうが、いつでもこの場所は使えてしまう面白いスペースだ。正直どちらがメインなのかわからない作りだが、元々カフェなどの店舗を想定した区画と考えると、その一風変わった作りも納得だろう。
半屋外のような空間で、ちょっとしたキャンプ感覚で楽しめるオフィスというのも面白い。室内には固定の席と重要な機器を収納し、朝出社とともにラップトップを抱えてテラス席でコーヒー片手にメールをパチパチ。天気が良ければ天井のルーバーで日陰調整をし、ビニールカーテンは開け放って風を通すテラスオフィスなんていうのも気持ちがいい。夜はランタンとビール片手に働いていると、自然と帰り際の多くの仲間が集まってきて、結果酒の場と化すかもしれない。逆に天気の悪い時はガッチリと四方をビニールで囲い、完全武装で雨風をしのぎながら雨音をBGMに働くなんていうのも悪くないだろう。さすがに嵐の日は共有ラウンジを使用してほしいが、こんなワイルドな働き方の提案も、このクリエイターの拠点地、この原宿エリアという個性の集まりのようなエリアの中では、どこか様になってしまうのが面白いところだ。もちろん正当にカフェなどの店舗も良いが、今時の働き方の実験場でもあるこの施設だからこそ、ちょっとした冒険をしてみてはいかがだろうか。
EDITOR’S EYE
上記のように、使い方次第では多くの人数でも利用することもできる区画になるかもしれないので、一度面積を度返しして使い方を色々想像してみてほしい。ちなみにビニールで囲ったバルコニーの姿が、どこか屋台小屋のようにも見える。一掃のこと、この周辺で働くクリエイターたちが夜な夜な集まれるような屋台をオープンしちゃっても面白いのかもしれない。昼はオフィス、夜は屋台。もちろん要相談となるが。