EDIT
今でも古い町並みが残るイーストサイド。西側とはまた雰囲気の違う、古い建物がどんどんリノベーションされ、一癖も二癖もある面白いオフィス物件が多く集まる。きっとこれからもマイペースに盛り上がっていく面白いエリアといえるだろう。今回紹介する物件も、そんなイーストサイドにあるちょっと変わった建物の一画。古くから問屋街で栄えた馬喰町から5分程に、これからオフィスを構えようと考えている人にはちょうどいいサイズの空間を見つけた。
「カメラ堂」。1度聞いたら忘れられない、インパクトのある建物。その名の通り、元は写真館として使われてきた建物だが、時代の流れと共にスタジオは徐々に縮小され、現在に至っている。とは言え、今でも2階部分はオーナーの撮影スタジオが現役で営業しており、建物脇にある共有階段を上ると、江戸っ子のオーナーがひょこっと顔を出し、声を掛けてくれくれる。なんか下町っぽい人情さも感じ、このエリアならではの物件の魅力を垣間みた気がした。今回の区画はそんな階段を上った3階部分。2~3人程が働くのにちょうどいいサイズの部屋で、天高のある白いスケルトン天井のおかげか、面積の割に窮屈感はあまり感じさせない。床は以前張られていたPタイルが剥がされ、その上からざっくりとチャコールグレーで塗装されている。このラフな仕上げがまたたまらない。元々スタジオの作業部屋として使われていたというこの部屋。奥には暗室として使われていた空間もついているが、現在ではなぜか特大のシャワールームへと大変身している。なぜそのよう改装したかは不明だが、湿気対策をすれば大きな倉庫として使用出来そうだ。
空間の素地はなかなか良好な気がする。ざっくりと大きなテーブルを中央にドーンと置いて、椅子を並べるだけで空間は完成してしまいそうだ。照明は既存のスポットライトで十分まかなえるが、ポイントとしてペンダントライトなどをさりげなく混ぜてみても良いだろう。よりこの物件を楽しむなら、部屋を飛び出し、この建物に秘めたポテンシャルをうまく使う事も考えられる。この建物のポテンシャルと言えばそう、2階にあるオーナーのスタジオ。例えば業種によってはスタジオ等で軽い撮影など必要とする時もあるだろう。その際はスタジオを使わせてもらう事も出来るかもしれない。もちろん、それまでにがっつりとオーナーとの関係性を作る必要があるが、それを乗り越えればなんともプライスレスな魅力的な物件に変わるだろう。少し変わった物件をお探している人には是非オススメだ。
EDITOR’S EYE
総武快速線、浅草線、神田川を越えて数分歩けば総武・中央線へもアスセス可能という意外に利便性のある立地に建つ。一歩通りを奥に入れば、今でも古い町並みが広がり、昔ながらの定食屋が点在しているなど、ランチも十分楽しめる立地だ。あえてこの地を攻めるのも、これはこれでおしゃれな働き方なのかもしれない。