EDIT
渋谷、表参道、広尾を結んだ三角形。そのちょうど真ん中あたりに位置するこの建物。表参道から青学の脇道をぴゅーっとまっすぐ進み、六本木通りを越えたらすぐ。ぉ。なんだかいい感じのお店があるではないか。隠れ家Bar的な、あるいは粋なデザインのアパレルが入っていそうな、そんな雰囲気の佇まいだ。
角に向かって斜めにしつらえられた木製の扉。玄関まわりはゴツゴツとした岩の壁。半地下とはいかないまでも、室内は地上より少しだけ下に下がっている。扉をあけるとき、秘密の隠れ家に入っていくような、自分だけが知る特別な店をこっそりと訪れるような、そんな気分を味える。元々は飲食店のこの空間。厨房設備はごっそりそのまま残っていて、当時使われていた客席用の机とイスはお行儀よく並んでいる。天井は抜かれてそこに白いペンキがのり、露出した配管、厨房からのびるダクトのメタリックな素材感がたまらない質感を発揮している。
スペックとしては飲食店がすぐに思い浮かぶ。しかし、オフィスとして求められる条件も充分満たしているのだ。抜かれた天井、フローリング仕様、客人のコートも掛けられるクローゼット、扉付きの打ち合わせスペース、キッチン…。ほんのちょっと手をかけてやるだけで、いつでも生まれ変われるこの空間。週末は誰かが仕事終わりに訪ねてきて、勝手に厨房を借りてつまみを作ってくれる。そんな素敵なご友人をお持ちの方、もしくは人をもてなすのがもともと好きな方に、ぜひプロデュースしていただきたい空間だ。
EDITOR’S EYE
前のテナントが残していった、飲み物をいれておくクーラーが残っている。
しかも2つ。お酒がお好きな方には必見だ。