代々木オフィス|地下1F中庭付き空間
EDIT
>>LOCATION
場所は、明治神宮の西側に位置する参宮橋駅エリア。明治神宮然り、周辺には公園なども多く、目に映る緑が多い印象。フレンチやインドカレーなど評価の高いグルメもあり、あまり知られてはいないが、噛めば噛むほど味が出るような魅力的な場所だ。そんな参宮橋駅から歩みを進めること6分ほど。首都高沿いの大通りを一本折れた先に、またもや多くの緑に囲われている、味わい深い顔をしたこのレトロマンションを見つけた。
>>SPACE
今回募集の区画は地下1F。道路面から続く専用階段は、ゆったりとした幅に経年の風合いと、これから踏み入れる空間への期待を高める演出に一役買っていると感じさせる。そして、待っていたのは無音とも思える静謐さを感じさせる空間。空間の中央部分には中庭、空間を囲う様に設けられたガラス面から光が差し込み、この空間の魅力を大きく後押ししている。地下ということもあり、外からの情報は完全にシャットアウトされているので、なんだか秘密の場所に迷い込んだ気分にさせられる程だ。あいにく、中庭は共用部につき使用禁止というが、その存在あってのこの空間と考えれば、惜しさも耐えられるだろう。現況は、フローリング調のシートが中途半端に残っていたり、建物の躯体が見えていたりとチグハグな状態。でも、この空間は中央に位置する中庭を引き立てる様に内装をアレンジするだけでも、気持ちの良い空間に仕上がることを想像させてくれる。現状はボロくとも、久しぶりに出会った胸が高鳴る空間であった。
>>HOW TO USE
外からの視線はなく、聞こえる音や目に入ってくる情報の雑音も届かないこの空間であれば、どこかのテーマパークの様に完全に外とシャットアウトでき、世界観を完璧に作り込むことも可能だろう。そう考えられたら、単純に空間をアレンジして格好良くするという考えにとどまらず、ここに自分たちだけの世界を作ってしまおうというノリはいかがだろうか。非日常的な世界を作り込む。そこが自分たちのワークスペースであり遊び場。そして、ついつい人を招きたくなり、訪れる人を驚かせ魅了する世界。徹底的に作り込むというのはそれなりの覚悟が必要だが、坪単価は10,000円(税抜)以下とかなり抑え目の設定と聞けば、グッとやる気も出てくるのではないか。
非日常に浸りながら、日常を過ごす。働いているとつい忘れがちな、ワクワク感や興奮を感じながら働く世界。いかがだろう、とても魅力的では?
EDITOR’S EYE
この空間をみた時、広尾にあるAKQAのオフィスを思い出した。残念ながらあの空間ほどの天井高はないが、開口部の大きさ、地下を忘れさせる空間という意味では上回っている要素も感じられる。そして、何といっても安い!安いは絶対的な正義だ。