渋谷オフィス|リノベーション済み コンパクトオフィス
EDIT
>>LOCATION
見上げれば、スクランブルスクエアと渋谷ストリーム。架け替えの行われた246×明治通りの歩道橋や、ストリーム脇のガラス張りのエスカレーター出口など、渋谷の再開発に伴い大きく変化したこのエリア。ただ、明治通りに沿って視線を並木橋方向に向けると、飲食店が立ち並ぶ見慣れた光景があり、やや雑然とした界隈ではあるが、変わらず“らしさ”漂う活気のある場所と言えるだろう。
並木橋交差点から少し手前にある目立たないこの建物は、両脇を賑やかすぎる飲食店に挟まれ、そのカオス感に溺れるようにエントランスを構えていた。
>>SPACE
入口のオーニングやエレベーターなど、築約50年なりの年月を随所に感じるこの建物。もちろん外観からも伝わる強めのレトロ感に、期待と不安が半々という状態ではあったが、4Fフロアの堅牢な防火扉の先には、ちょっとしたギャラリーとでも思える様な空間があった。2年前ほどに室内をリニューアルしたラフな質感の室内は、約3mの高さを確保した剥き出しの天井に、白塗装された壁面とグレーのフロアタイル仕上げ。北向きの窓からはクリアな光が差し込み、空間全体を通して嫌味のないシンプルなトーンにまとめられている。コンパクトな面積でありながら、エントランス脇に個室が1箇所と男女別トイレ、窓先を見下ろせば明治通りが左右に伸びていたりと、観察すればするほど、じわじわとこの空間の持つ良さが体に染み込んでくる様な味わいがあった。
>>HOW TO USE
レトロなビルだけに、4Fにたどり着くまでの不安は確かにある。エントランスは“CoCo壱”と“ほっともっと”のゲートの様な看板に挟まれており、見栄えする華やかさとは程遠い面構え。ただ、この立地のおかげでランチのレパートリーには困らないし、駅までの機動力も不足はない。室内のシンプルなレイアウトは使い勝手も◯だし、内装の素材感や少しヨレた雰囲気が妙に肌馴染み良く感じられ、予想以上の地力の高さを実感することができるだろう。スペース的なキャパはそこまで余裕があるわけではないが、サテライト的な利用や、スタートアップとしての基盤を作るオフィスとすれば、相棒としても十分心強い戦力となるはずだ。
外見の派手さやわかりやすさで勝負するのではなく、あくまで実力と中身で勝負。この空間は、地に足をつけて実力と事業を磨く数年間の、欠かせないパートナーになってくれるに違いない。
EDITOR’S EYE
個人的な好みでもあるが、各フロアをつなぐ藍色の階段は中々お目にかかれない良い色味に仕上がっており、不潔な印象は全くなかった。ちょうど手頃なサイズ感だけに、気になる方はお早めに。