恵比寿西オフィス・店舗|4面採光 窓から緑が見える空間
EDIT
人で賑わう恵比寿駅前から渋谷方面へ徒歩8分、並木沿いを歩いて行くと、山手線の線路と共に、代官山方面へと通じるキャッスルストリートの入口が現れる。トレンドエリアの香りもしっかりと漂わせながら、周辺はエアーポケットの様に静かで、人通りもまばら。緩い空気が流れる気持ちのよい場所に、力の抜けた自然体の建物を見つけた。
前テナントの木目調の外装が残るレトロな外観の建物の2F区画となり、脇にあるエントランスから程よくシブい階段の手摺をつかみながら登って行く。その先に現れる室内空間は、躯体露な壁と天井を白で塗装したシンプルでクリーンな空間。角地に位置し前面が線路という、障害物の無い4面の窓から射し込む光が開放感を感じさせ、近くを走る電車の音は感じるが、思わず窓を開けたくなる様な健やかさを感じる空間となる。
ロケーション、室内の仕上がり、窓から見える健やかな緑と、この空間の持つポテンシャルは高いだろう。室内に射し込む光を反射する様な質感の床は少々気になるが、家具をおいてしまえば、これはこれで日々のメンテナンスを考えても悪くないとも思える。もし手を入れるのであれば、その光った床をマットな質感にするだけでも見違える様に良くなるはずだ。恵比寿・代官山・渋谷というある程度出来上がったイメージに染まらない立地は、ここから始まる新しいストーリーにはうってつけ。アイデアの試行錯誤を繰り返す場所として気持ちよく働く事が出来れば、この先のビジョンもその視界同様に、大きく開けてくるのではないだろうか。
EDITOR’S EYE
店舗の動線として考えると現時点では若干の弱さを感じるかもしれないが、今後の展開次第ではそれすらも変える事の出来る可能性を感じる。近隣の駅からのアクセスも良い立地となるので、人も集まりやすいだろう。かしこまったオフィス利用ではなく、街の感度に合わせた柔軟性のある利用にトライして欲しい。