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原宿駅から山手線に沿うかたちで代々木方向に進む。ほんの2、3分歩けば、駅前の賑わいからガラッと雰囲気の変わる住宅街に足を踏み入れる。なかなか目的がないと立ち入らないエリア。そろそろ北参道の駅の方が最寄りになるか、というそんな住宅街の一画にこの物件はある。
現在リノベーション真っ最中の建物、撮影時には建物全体に養生がされていたので、残念ながらその建物雰囲気をお伝えすることはできないが、外壁は落ち着いた色合いのビジュアルになるので、完成時をご期待いただきたい。
今回ご紹介する区画は、道路面からは少し上がったところにある1階部分。室内は写真のとおりのレベルの高いスケルトン状態での貸出しだ。設備も一切無く、唯一使える可能性があるのは残置されたエアコンのみ、、と見たままの荒くれた空間。もちろんこのままでは、使い物にならないが、このボロボロさにも少々色気を感じるのは自分だけではないはずだ。
業種的にはアパレルやクリエイティブな業種が多いこのエリア、トレンドを発信するポジションだからこそオフィスにもこだわりを貫く企業も多い。それならば、タイルカーペットや蛍光灯など好みの合わない空間から全てをやり直すより、スケルトン空間の方がよっぽど気楽で思い通りに作れるだろう。道路面からは少しだけ高い位置にあるため、奥まで室内を覗き込まれることは無いが、前面道路を行き交う人の視線を集めるような雰囲気づくりをしてみてはどうだろうか。
この建物の正面には、以前に当サイトでも紹介したことのある素敵なリノベーション物件が向き合って存在している。人通りは殆どない落ち着いた住宅街を歩いていると、ここだけスポットで雰囲気あるエリアになる、という少々謎めいた面白さもあるだろう。
建物正面はなかなかの住宅街。人通りも少なく、とてもここが原宿から徒歩数分というのが信じがたい立地だろう。しかしながら、この建物のもう1つの顔である反対側は、山手線に面している。数分おきに行き交う電車、当然のことながら、そこそこの音を感じるのは間違いない。表側の住宅街の静寂とはうってかわり、反対側の神宮の森との間にある喧噪と、そんな間に挟まれたこの無骨な空間を次の利用者がどの様に受け止め、料理するのかが楽しみである。一癖も二癖もある物件だからこそ、オリジナリティの高い面白い使い方が期待できるだろう。
EDITOR’S EYE
このエリアは所謂オフィスというのは少なく、オフィス街としても需要は少ないところだろう。でも、よくよく考えてみると、渋谷と新宿の丁度中間地点なのである。物件から少し移動して明治通りまで出てしまえば、新宿、渋谷ともタクシーで1000円程度でアプローチができるという圧倒的な利便性をもつ。そんな穴場とも思えるこのエリアを、うまく使いこなしてみるのも悪くない。