EDIT
恵比寿と広尾のちょうど中間辺りに建つ今回の物件。各駅から10分弱と少し距離に建つが、道中には小洒落たショップや美味しそうな匂いを漂わすカフェなども多い。朝はお気に入りのカフェで買ったコーヒーを片手に、夜は恵比寿横町で仕事終わりの一杯を楽しむ。そんな仕事以外でも楽しみが多く詰まった立地に、クリエイティブ心を過剰に刺激する建物を見つけた。
築60年近い、なかなか年期の入った1棟の物件。白く塗装された外壁や、新設されたシャッターなど、程よく手直しはされているが、それでも依然として経年の古さは隠せない。室内は1階のガレージスペースと、住居の名残りある作りの2階に分かれており、こちらもやはり年相応の雰囲気を漂わせている。これだけでは一見物珍しさは感じないように思えるが、実はこの物件には魅力的なポテンシャルが詰まっている。まず何といっても、賃料が最大の魅力だ。この地において、坪8000円程とかなり奇才な数字を放っており、もちろん建物の築年数もあるが、もう一つの理由が、今後取り壊し予定という事で、5年間限定の貸出しとなるとのこと。。という事は、室内を自由に改装出来き、それを現状に戻す必要がないという特典付き。安い上に改装も自由。そんな遊び心くすぐる条件を知ったとたん、更に高鳴る鼓動を感じた。
1階は無骨な躯体をあらわにした天井や、コンクリートの床など、正直このままでも十分かっこいい空間。日々のルーティーンワークの場というよりかは、例えばカフェカウンターなどを設置し、テーブルや椅子などをざっくり配置して、社内や友達などを招くサロンのような空間に良いいだろう。
その分2階はキッチリ働く場。改装する上で腕の見せ所といってもいいのもこの階だ。壁を抜くなり、天井を抜くなり、どうぞ好きに楽しんでほしい。特に天井は懐がだいぶ深そうなので、美しい木組みが現れるという微かな希望に賭け、全て取っ払ってしまっても良いだろう。このフロアーはじっくり働く場として、居心地の良いスペースとして整えて欲しい。変わった物件を探しているなら、まずはこの物件を見るべきだろう。きっとなにかしらのワクワク感を与えてくれる空間だと思う。この建物の最後の数年間、せっかくならガッツリ改装して素敵な使い方、働き方をしてあげてほしい。
EDITOR’S EYE
募集が出た時、弊社でも真剣に借りようか検討してしまうほど魅力的な物件。入居には修復から始めないといけないため、綺麗で整った物件を求める方には合わないが、逆に自分たちで個性的な空間を作りたいと考えている方々にはきっと理想的な物件と言える。日々の仕事をやりつつ、コツコツと気ままに空間をアレンジしていくのも面白そうだ。