表参道駅を下り、ハイブランドのショップが建ち並ぶみゆき通りから、ホテルフロラシオン通りを左へ進む。しばらく道なりに進むと、ホテルの向かいに木組の一風変わった建物が見えてくる。有名建築家がデザインしたこの建物は、今後場所を説明する際に、これとない目印となるだろう。その建物脇を左へ曲がり、青山通り方向へしばらく進むと現れる今回の建物。「風花」という花屋とカフェが併設するお店が隣接すると言えば、よりイメージつく方もいるだろか。見た目はタイル張りのヴィンテージなマンションだが、その室内にポテンシャルの高い空間を探し当てた。

建物脇の階段を上ると、隣に入居するカフェが、玄関前に植物などを置き気持ちのいい場を作っていた。閑散としがちなマンションタイプの玄関回りだが、この小さな植物たちが、来訪者を気持ちよく迎え入れる手助けをしてくれそうだ。玄関扉を開けると、ゆとりのあるエントランス廊下の先に気持ちのいい空間が広がっていた。3M弱と高めのスケルトン天井や、白を基調とした仕上げによって、より広く開放的に感じさせてくれる室内。南窓のように日中の光がサンサンというわけにはいかないが、北東に面した窓からは1日中安定した光が室内を照らし、部屋の一つの顔と言える横長の北窓からは、木造のレトロな建物とそれを包む緑の風景を望む事が出来る。仕事に疲れた時など、不思議と心に安らぎを与えてくれそうな気持ちのいい眺めだ。エントランス部分には水回りはもちろん、倉庫として使えそうな小部屋もついている。掃除道具やすぐに必要のない書類などはこの部屋にスッキリ収納すると良いだろう。現状扉は付いていないが、ロールカーテンなどで簡易的に塞ぐだけでも良さそうだ。なにかとポイント高めの室内と言えるが、もちろんいい面だけではない。写真を見て分かる通り、グラデーションのタイルカーペット床が、空間内にかなり強い存在感を放っている。これが唯一気になる点ではあるが、逆に言えばこの空間の印象は床材で決まるという事を知る。

より魅力的な空間にするには、床の素材を変える事に尽きるだろう。単色の落ち着いた色のタイルカーペットに変えるだけでもガラっと印象は良くなるが、もし予算に余裕があれば無垢フローリングをオススメしたい。簡単な工事ではないが、きっと誰もが欲しがる良いオフィスに生まれ変わるだろう。この空間はきっと輝く。内に秘めた可能性を感じる素地良好な物件だと思う。

現在カフェが入居している隣の部屋も、以前弊社でご紹介していた区画だ。「ホワイトinnnerテラス」という名の物件だが、室内は今回の区画とほとんど同じ作りとなるので、床が違うだけでもだいぶ雰囲気が変わる事をお分かり頂けるだろう。少し手は掛かるが、ポテンシャルをもったこの物件をより輝かせてやりたいという方を求めている。