EDIT
原宿駅、いつも人で賑わう竹下通りに入ってすぐ、左に曲がる。裏手の道に入ると、先ほどの喧騒が遠のき、急に静かで落ち着いた雰囲気になる。まわりには東郷神社や、渋谷区立中央図書館があることで品性が漂っている印象。この喧騒の境界線はなかなかおもしろい。そんな環境に身を置く、今回の建物。最上階には、とても気持ちのよい空間が広がっていた。
最上階である4階まで、エレベーターはない事をご容赦いただきたい。ただ、そんなデメリットは大目に見てあげていいと思ってしまう。そう寛大な気持ちになれるくらい、室内の環境が魅力的なのだ。南向きに贅沢に確保された窓、そして部屋のまわりをぐるっと、ほぼひと回りできそうなバルコニー。天気がよくてあたたかく、窓をあけっぱなしにしてみても、聞こえるのは鳥の鳴き声くらいという環境なのだ。アクセスがいい、日当りがいい、静か。この3拍子があったうえで、内装をその要素に絡めて手を加えれば、格段によくなることだろう。
前テナントは床のフローリング上に、ほどよく経年の感じられる古材を敷き詰めて使用していたそうだ。そうして独自に手を加えていきながら、自分たちの過ごしやすいワークスペースを是非手に入れてみてほしい。ワークスペース、打ち合わせスペースに加え、くつろぎスペースを持っているオフィス。このアクセスや諸条件で、そこまで満たす物件はなかなかない。居心地がいいので皆が足を運びたくなり、仕事の話もうまくまとまりやすくなるかもしれない。そしてこの空間と相棒のように付き合い、自分たちがひとまわり大きくなるまで付き合ってみるのもわるくない。
EDITOR’S EYE
バルコニーはまとまった空間、ほそい空間、そして奥に進むと現れるやや隠れた空間がある。喫煙スペースとして利用するのもよし。他の人に聞かれたくない事を話す、相談場に利用してみてもいいかもしれない。