EDIT
表参道と明治神宮前駅と丁度真ん中辺り。元学校に隣接するこちらの建物。今は地域のコミュニティ施設として利用されている建物のため、子供たちの賑わいはなく、穏やかな時間のながれる場所となっている。名残り深い桜の木が植わっている元校門の向いに、何やら不思議な建物を見つけた。
建築されたのは昭和39年、前回の東京オリンピックの年である。見た目もその古さは隠しきれず、時代を感じる雰囲気を纏っているが、所謂、時代遅れのダサさは感じない。古く味が出ている感じだ。ぱっと見でも建物はほぼ正方形と分かる外観、四隅が同じように仕上げられていることも、なぜかひと目で察することができる。建物のエントランスは、丁度、十字に交わる交差点の角から階段を下り入り、なんだか分かりづらい飲食店にでも入る様な錯覚をさせてくれる。今回募集をする区画は、4階建ての最上階だいぶ不思議な空間だ。
細い階段を最上階まで一気に登り、ようやく辿り着いた玄関を開けてからも、いきなりまた階段。ようやく部屋に入ると、更に上に続く階段が脇にある。興味をもって上がってみるが、その上には特に何もないのだ。。
空間自体は、ほぼ正方形の四隅に、4つのサンルームの様な空間が備わっている。見晴し台や、司令室の様にぐるっと180度見渡せるナイスなポジションである。4人で四方を押さえ、配置に付けば、360度隙のない布陣が組めるだろう。働きつつ見張りながら、、。来るかもしれない何かに備えてみるのも面白い。恐らくきっと何も来ないだろうが、その配置で4人が働いているというだけでもちょっと楽しそうだ。
現実的には、ミニキッチンがついている1/4区画。打ち合せに利用する1/4区画と考えると、残りの2/4をうまく使って2、3名でこじんまりと働くのがいいかもしれない。でも、ここではやはり、せっかく平等に仕分けられている四隅を敢えて4人で使いこなしてほしい。1つ1つはとてもコンパクトなスペースだけど、一人1つに割り振られたこのポジションは、見晴らしの良い広場にでもいる様でもあり、自分専用の隠れ家にでもいる様に思わせてくれる。きっと俺のテリトリーに入るな的な、意外と楽しいせめぎ合いがこの空間では繰り広げられるのではないだろうか。
EDITOR’S EYE
加えて、いきなりガラッと雰囲気の代わる水回りは、なかなかの渋みがある空間で、お風呂もしっかりついているから、SOHOとしての利用も期待できる。
….最後に正直にお話しすると、非常にワクワクする物件ではあるが、取材に行き、独特なこの空間の紹介文をあれこれ考えて書き終えた今も、私自身、よくわからない空間ではある。笑
誰がどんな使い方をするのか、そこで何が起こるか楽しみな物件だ。