南青山オフィス・店舗|スケルトン空間
EDIT
青山の住宅街、骨董通りから深く伸びた一本の路地ともいえる細い道の先に、この建物はあった。骨董通りの大人びた賑わいから住宅街へと入り、その裏通りにあるショップやショールームを超え、深く深く入った青山の住宅街に突如ある意外性をも感じさせるこの建物。今回1F-2Fのメゾネット区画を募集中である。
周辺に商業性は殆ど感じない、非常に穏やかな雰囲気。前面道路に立ち、まっすぐ伸びる道の先を眺めると、骨董通りを行き交う人たちが遠くに見える。人気高い青山エリアでも、ここまで何の目的もなくちょっと足を伸ばして散策を、、という人は中々いないだろう。それくらい穏やかな場所。
建物はそんな穏やかな雰囲気からは少し浮いた感じの、スタイリッシュな印象。立地的には商業性はない、と思いながらも、地下には知る人ぞ知る高級寿司店がひっそりと店を構えている。募集区画も、穏やかな街並みに目一杯開口部を開き、数少ない通行人を惹き付けるポテンシャルは備えている。人目にあまり触れない立地であることを逆手に取って、オープンなオフィスというのも狙える。もちろん、こだわりのショップや、目的性の高いショールームなどは相性も悪くないだろう。今はまだ、スケルトンのこの空間も、その気になれば如何様にでもなる自由度はある。主張するように存在する階段。6m近い吹き抜けと、2フロアに別れた空間の特性を利用して、空間の利用方法のイメージを拡げてみてほしい。街並に溶け込むように、、というのも一案だが、敢えて少ない通行人が思わず覗き込む様な、印象深い演出をしてみるのもいいだろう。空間のデザインという枠に納まらず、それこそ空間の可能性を最大限に生かすことだけに注力して、アートを創る様に空間を創ってみてほしい。ちょっとした裏通りのショーケース。そんな噂がみんなの耳に入ることがあったら面白いと思う。
EDITOR’S EYE
こちらの建物、周辺の雰囲気も建物の印象も、非常に好感の持てるものだった。物件のタイトルにしたArts and Craftsというのは、なかなかのこじつけでしかないが、この建物名からの連想であった。ウィリアムモリス。その名にちなんだかもしれないし、全く関係ないかもしれないこの建物の建物名。ちょっとしたきっかけで、モダンデザインの父を連想させ、あの愛らしい草花や樹木をモチーフにしたデザインまで思い起こさせる。
「美しいと思わないものを家においてはならない」とまで語った彼の言葉を頭の片隅に、この空間をしっかりと創ってみるのも素敵だと思う。