EDIT
外苑前と表参道のちょうど真ん中あたり。青山通りから少し入ったところに位置するこの建物。周辺には、青山迎賓館やホテルフロラシオンなどがあり、落ち着いた通りではありながら華やかな雰囲気漂うエリアとなっている。青山通りや骨董通りといった賑やかなエリアにもすぐ出られるので、働く環境としてはちょうどいい距離感に思う。
外観は、幾何学的なデザインが目を引く。ガラスブロックとコンクリートで構築された円筒の前に、三角形のオブジェ。そのエントランス部分から、下に向かってのびてゆく階段がある。地下に降りると円筒のアールに沿ってガラスがはめ込まれ、このアプローチに射し込む陽の光が、地下にしては明るい印象をもたらしてくれている。天井の高さは3.6m、文句なしの抜け感だ。内装はスケルトン、水回りの造作等の用意もする必要があるが、この天高と開放感といった、秘めたるポテンシャルを上手く引き出し、快適な空間へ仕上げていただきたい。
元々ここは、スタジオとして使用されていたそうだ。確かにこの天高といい広さといい、まず思い付くのは撮影スタジオ。もしくはアパレルや広告デザインで、その場でちょっとした撮影ができるようなオフィスを探していたとしたら、願ったり叶ったりの空間だ。地上からの直接アプローチもあるので、展示会を開きたいという際にはアテンドがスムーズに進むことだろう。スケルトンの中でもコンクリートの仕上げは珍しくきれいな方なので、このまま使ったっていいかもしれない。この素材をどう生かすかを楽しんで、クリエイティブな働き方を楽しんではいかがだろう。
EDITOR’S EYE
地上からのアプローチを兼ねたドライエリア、この外壁が青銅色のような、なんとも言えない良い表情をしている。ここはかなり陽が射し込むので、観葉植物を多く配せば、中からの景色も外からの印象もより一層明るいものとなるだろう。