銀座７丁目、昭和通りから一本銀座側に入ったところに、外観のフォルムこそ並びのビルと同じようだが、キラリと存在感を放つビルがある。大通りから一本裏手にあり、車の騒音は落ち着くが、大通りよりもなんとなく人気と活気を感じる通りだ。

かつては酒屋があった場所は、その後1970年にビルが建てられ、2014年のリノベーションを経て、また新たな輝きを放っている。元々のビルの面影はあまり感じないが、他の新しいビルにはない素材感に手触りの良い暖かさを感じる。
室内はシンプルながら手の込んだつくりで、白い天井や床に、レンガのように張られた小片の無垢フローリングの深みのある表情が映える。天井の照明は埋め込みのスポットライトと、配線ダクトがあり、普通のオフィス照明とは違う演出を楽しめる。各階には専用のミニキッチンとトイレが配置されている。ゆったりとしたトイレの個室内には洗面台もあり、来客者にもうれしい配慮がされている。

銀座の奥座敷。中心の喧噪から少し離れた、手間をかけてつくりあげた奥ゆかしい空間。シンプルでコンフォートな空間。従業員はもちろん、来客者も居心地の良さを感じられる小粋なオフィスはいかがだろうか。

本物件にはエレベーターはないが、階段の木が心地よく、全く苦にならなかった。その分階段の下に収納スペースがあり、見せたくないものを隠せるのはうれしい。
室内は、床のフローリングを活かして、グリーンを配置するのは王道だろう。さらに、スチール製のテーブルなど素材感の違いで遊びを加えるのもおすすめしたい。