EDIT
自由が丘の地に降り立ち、駅からほぼ曲がることなく10分ほど歩く。少しだけ遠いと感じるかもしれない。しかし道中、まっすぐに続くその通りには立派な邸宅が並ぶ中、おしゃれなイタリアンや古民家のギャラリー、アウトドアグッズのショップなどなど様々なジャンルのお店が点在している。道行く人々は洗練された雰囲気をたたえた方々ばかりだ。やかましい者など誰もいない閑静な住宅街。そんな街にふさわしい佇まいの建物を見つけた。
まっしろに塗られた外観。見上げると正面に並んだ3つの窓。青いシェードで覆われたその窓が、なんとも可愛らしい。塀や玄関までのアプローチは、まるで人を迎え入れるかのように緑で覆われていて、どこか外国的な情緒を感じる。扉を開けて中に入れば、まさに邸宅といった空間のおでましだ。目の前には上に続いてゆく階段の横顔があり、この階段や床や腰壁が、コーヒーを煎ったような深い色合いの材木で統一されている。これが、建物全体に漂うモダンな雰囲気を演出しているように思う。入ってすぐ右手に広がるフロアは、その質感が一番顕著な空間となっている。2階には暖炉のある一室があり、ここでは腰壁に綺麗な黒石が使われていて、足を踏み入れると思わず背筋がピンとのびる。客人をもてなすにも商談をまとめるのにも、この一室を利用しない手はないであろう。さらに3階は3部屋に分かれており、どれもそれほど大きなスペースとはいえない。ここは書斎や資料部屋、一人で集中したいときのための部屋、物置スペースといった具合に使い分けをするのもいいかもしれない。SOHO的に住居兼オフィスとして利用するにしても、広さや機能はおそらく充分だろう。この邸宅をオフィスとして利用しているというだけで、一度訪れてみたいという気にさせられるのは、わたしだけではないはずだ。
EDITOR’S EYE
玄関前のアプローチは広く屋根に覆われているため、客人が複数でいらしても雨に濡れずにすむだろう。さらに駐車場が一台分無料でついてくるので、大量の買い出しをしても問題なく運び入れる事ができる。