EDIT
外苑前駅から、キラー通りを国立体育館方面へ進む。交通量は多いが、個性的なショップや、塔の家などの有名な建築物が建ち並ぶなかなか面白い通りだ。明治公園の少し手前を左に曲がったところに、この建物はひっそりと佇む。
リズム感のあるコンクリート群。
築浅の建物だが、国立競技場、塔の家など、周辺に残る古き良きモダニズム建築を連想させるデザインだ。シンメトリーに配置された建物の間には、気持ちのいい空間が広がる。硬質なイメージのあるコンクリートだが、その風変わりな目地や、爽やかなブルーの壁、透明なガラスと無造作に生える緑が、全体に軽快なリズムを生みだしている。独立しているのに、なんとなく繋がっている。窓越しからは少しだけ中の生活が漏れ出し、隣人との距離を縮めるよう計画されている。特に玄関脇のコーナー部分の窓は、とても憎い演出だ。
元々住宅の為、かしこまった働き方は合わないかもしれない。風が気持ちいい季節は窓を開放して働く。備え付けのキッチンを利用して、何かを食べながら、飲みながら仕事と向き合ってみるというのもいいだろう。
内装はいたってスタンダードな住宅仕様だが、強いてチャームポイントを言うなら、コンクリート質の階段室とバスルームがオシャレということだろうか。綺麗すぎて少し味気なく感じるなら、照明にこだわってみてはどうだろう。ペンダントライトや間接照明で柔らかに演出。照明一つでだいぶ空間の印象は変わる。1階には明るめのソファーを置いてみる。少しレトロ感のあるラグやローテーブルもいいと思う。まるでオシャレなカフェで働いているかのように、みんなが自然と集まる居心地のいい空間を創る。2階は対照的に、気が済むまで仕事をする場所。ストイックにとことん働く。そんな異なる空間を、上下で使い分けられるのがこの物件のいいとこだ。
EDITOR’S EYE
原宿、千駄ヶ谷、北参道などからも10分ほどでアクセス出来、道沿いには個性豊かな小さなショップが立ち並ぶ。また、周辺には多くのカフェや、飲食店、移動販売車など、ランチを楽しめる場所もある。それぞれメニューが充実しているため、毎日いい意味で悩みそうだ。日々に仕事の中に、ちょっとした楽しみを与えてくれる、そんな場所だと感じた。