EDIT
原宿駅から、ラフォーレ原宿に辿り着く手前を左に入る。表の賑やかさをかわして、美容室やアパレルの旗艦店、そして学校などもあり、人通りは少なくないが、落ち着いたエリアだ。ヴィンテージマンションと呼ばれる、1970年前後に建てられた趣ある高級マンションも多数建ち並んでおり、現在ではそこの1室をリノベーションし、プレスルームや店舗、オフィスにしているケースが多い。この建物もわかる方にはわかる、神宮前の有名なマンションの一つである。
築年数は経っているが、共用部分の管理はしっかりとされている。エレベーターを使って4階へ。もとは居住用の集合住宅であり、共用の廊下や扉は団地の様なノスタルジックな雰囲気がある。そして、ドアを開くと、ひたすら白い白い空間が広がっている。予想するに、2LDKの間取りをぶち抜いたと見られるワンルームの間取りで、1本残された柱を軸にした、シンメトリーの美しさが際立っていた。天井高はそこまで期待できないが、採光は十分確保されており、景観の抜け感もある。水廻りも新しい物が取り付けられており、ワークスペースとはドアを隔ててまとめられているため、この白い空間をフルに利用する事ができるだろう。だが正直、この白さにはけっこうなインパクトがあり、このオリジナルの状態で、快適さや心地良さを醸し出すというのはやや難しそうだ。現在の状態は下地と考えて、ご自身のイメージをここに上手に落としんで頂ければと思う。
EDITOR’S EYE
この近辺のヴィンテージといわれるマンションは、区画ごとに全く違うリノベーションが施されていて、思い切りのいい内装の空間に、時々巡りあうことがある。このとにかく白い空間も、ありそうだが、実は希少であるものの一つだと言えるのではないだろうか。一点もののような感覚でご覧になると楽しいと思う。