EDIT
外苑前駅を降り、ベルコモンズの交差点を過ぎたら外苑西通りを六本木方面に歩く。緩やかな坂の途中には、築浅のビルも建って入るが、年季の入った味のあるビルが建ち並んでいて、オフィス、アパレルショップなどが入居している。常連になれたらかっこよさそうな喫茶店やカフェ、バーなどもある、大人な雰囲気をもつストリートではないだろうか。その通り沿いに、この建物を見つけた。
エレベーターなしの5階建て、1階2階部分の募集である。1階とはいっても階段を上がった部分にあり、通りを歩く人の目線はかわす事ができる。階段や踊り場の部分は建物が建てられた当時に近い状態のままで、ドラマや映画などに出てくる探偵事務所でも入っているような趣を感じた。室内は天井が抜かれた状態になっており、一番高い部分で約3メートルある。よく見ると天井に線がついている。これは施工時、コンクリートを流す際に使われた木枠の跡。現在はその作業にパネル状のものが使われる為、こういった細かい木の跡が残っている事は今となっては珍しい。時代の流れが刻印のように残っているのも、ヴィンテージ感があっていいのではないだろうか。床はスタンダードなタイルカーペットが敷かれているので、気になる方は、フローリング等に張り替えてみてもいいだろう。実は造り込んでいるけれど、決してそうは見えない。この空間は、そんな気取らないざっくばらんな格好良さを装えたら素敵だと思う。
EDITOR’S EYE
2階部分も同時に募集している。こちらは天井の処理はされていないため、よりオフィスの要素が強い。リフォームを入れる事で雰囲気を変える事は出来るだろう。