EDIT
渋谷駅を降りて、宮益坂を登る。そのまま青山通りを飛び越えて六本木通りを目指すようにロードサイドに入った渋谷2丁目。商業ビルが建ち並ぶ、オフィスばかりの街並かと思えば、レストラン、個人商店、クリニックなど、様々な要素がいい意味で雑多に組み込まれている。そんな中、比較的大きなビルに両脇を固められ、サイズとしては小さめな、独特の白いオーラを持つこの建物を見つけた。
外付けの螺旋階段を上がった3階4階部分が今回の募集区画である。通り沿いの面はガラス貼りになっており、室内にふんだんに光が取り込まれているのが外から見てもわかる。室内に入ると、1973年築ではあるが、年を重ねるごとに無駄を削ぎ、必要な部分は都度補修や交換をされてきたさっぱりとした空間がある。今回のリノベーションでは、トイレ等の水回りも新品が取り付けられていた。
室内の中心にある螺旋階段を上がると、踊り場としては広めの空間があり、それを挟んでサンルームと個室に分かれる。この踊り場にはテーブルにもなる様な手すりが設えてあるので、コーヒー片手にスタンディングミーティングや、ちょっとした気分転換もできる。階下から見上げても吹き抜けの高い天井に思い切り開放感を感じる事ができるだろう。個室部分は南向きで温かく、使い込まれた白い扉やレトロな磨りガラスから、さらに温もりの様な物を感じる事ができるのではないだろうか。サンルームは若干手つかずの様ではあるが、この空間はスタッフで徐々にリメイクしてみてもいいだろう。
渋谷の街には、新しくて、大きなビルが数多くあり、築年数の経った建物はどこか遠慮がちに存在しているような印象を受ける事がある。しかし、新しくなくても、大きくなくても、まっさらで自分らしく働く事の気持よさを、この空間は教えてくれるような気がした。
EDITOR’S EYE
建物1階の飲食店は、定食メインの美味しそうな店で、ランチ時にはかなりの賑わいを見せていた。ここの他にもお手軽価格な飲食店が多いエリアだ。1階の店を中心に、行きつけを増やしていきたいところである。