EDIT
表参道ヒルズの裏手から、数ブロック離れたあたりの住宅街。そこは、個性的な邸宅や小さな画廊、カフェなどが所々にあって、趣を感じる住宅街といっても言い過ぎではないと思う。この物件はそんな神宮前の一角にある。
地下の階には美容室が入居しており、適度な人の出入りがある。しかし、建物全体としては街と同様、静かな佇まいだ。1階という表記になっているが、実際は地上より目線の高いところに位置しており、数段階段を上ったところにエントランスがある。エントランスを入ると水回りを中心に、左右で1部屋ずつに分かれている。通りに面する方の部屋は、窓のほとんどが磨りガラスになっており、外からの目線を気にせず、室内いっぱいに柔らかい光を取り入れることができる。反対側の部屋も、窓が多めに設けられた明るい部屋で、木製の窓枠がよく似合う落ち着いた空間だ。
この物件の床には絨毯が敷かれている。もともと居住用として設計されているので、玄関で靴を脱ぐハウス仕様のオフィスだ。よく自分のデスクの下では靴を脱ぐ人を見かけるが、靴を脱いだ方が仕事しやすいと聞く。オフィス全体で靴を脱ぐ習慣をつけたら、さらに落ち着ける空間となって、ぐっと居心地が良くなることも想像できる。
もちろん来客の際には、ゲストにも靴をお脱ぎいただくので、季節にあった、センスのよいルームシューズを用意しておくとよいだろう。
ルームシューズのセレクト1つで、会社の印象が変わるかも知れない。そんな、小物にもこだわるオフィスなら、一度伺ってみたいと思えるのではないだろうか。
EDITOR’S EYE
写真を撮影した時点では、原状回復前なので、これからクリーニング等が入る点をご了承頂きたい。時々、「オフィスっぽくない物件」というリクエストをもらうことがあるが、ここはまさにそんな感じがする。外観は普通のビルだが、中に入ると、何となく懐かしい雰囲気や、少しだけ家庭的な暖かさがある空間だ。キッチンもついているので、時々はスタッフがランチを作る日、などがあっても面白いかもしれない。