EDIT
表参道の交差点からほど近い北青山の住宅街。古くからここにある建物と、新しくできた建物が共存する街の中に、築浅のデザイナーズビルなのに、なぜか懐かしさとポリシーを感じさせる不思議な建物があった。
長方形の奥行きのある間取りは風や光がよく届きそうだ。角地に建っているせいか、建物の横からの見え方をものすごく意識しているようで、堂々としながらも潔さがある。陽が落ちた後は、外からの照明と、中から灯される明かりのバランスが考えられていているようで、また違った綺麗さがある。とにかくこの建物は、正面からよりも、横から見たときが一番美しいと思う。その理由のひとつとして、一本の桜の木がある。不思議な事にひとは、桜の木には必ず何らかの出会いやドラマを持ってはいないだろうか。ずっとこの土地を見守ってきたであろうこの桜の下に、今度はどんなドラマが生まれるのだろうか、そんな事を考えてしまった。
「働く」というのは日々の小さな出会いやドラマを明日とその先へとつないでいく作業でもあるといえよう。せっかくなら、青山という素敵な舞台で、桜の木のもと、新たな物語を始めてみてはいかがだろうか。
EDITOR’S EYE
残念な事に、写真を撮影したのは初夏であるが、桜のシーズンには見事な花を咲かせてくれる、また、室内は、オーナー様の希望により、ネットでは非公開とさせていただきたいとのこと。それだけ、間口は狭いのかと思いきや、飲食店や美容室等、業種はある程度広く相談できる。2階から桜を愛でることのできるオフィスや店舗なんて悪くないのではないだろうか。