EDIT
神宮前2丁目のトルコ大使館周辺は、いわゆるヴィンテージマンションの宝庫である。1971年に建てられた、栄光の館といわれるこの物件は、中でも特に人気を誇るシリーズマンションの一つである。これらのシリーズが他のマンションと異なるのは、その斬新で明るいデザインにあるのは明白だ。
このスタイルを確立するには、デベロッパーの熱い想いがある。1971年前後、日本人は欧米に対して憧れを持ち、欧米の生活の真似ることが良いとされていた。そんな時代に、集合住宅をつくるにあたって、欧米の住宅事情を視察したデベロッパーの会長は、「参考にしたいと思うものがなかった」と言う。「ならば、自分たちで、全く新しいものを作るしかない。最高のものをつくろう。20年先の事をやろう」その想いが形になったのが当シリーズだという。
この話は多くの雑誌でも取り上げられている有名な話だが、何度聞いても、自分のモチベーションが高められるのだ。これだけの希望が託された建物の中で仕事をするのは、何らか自分の糧になるように思えてならない。
今から10年後20年後に最高の自分であるためには、このマンションにいたというヒストリーはかけがえのないものになるかもしれない。
EDITOR’S EYE
今回はまだ原状回復前であるため、ある程度の造作替えなら今なら相談に載れるとのことだ。このままでも十分使えるが、ある程度自分たちのスタイルを持ち込みたいと考える人にはぜひ一度検討して頂きたい。空室待ちをしている人も多いとの話も聞く。