EDIT
にぎやかな広尾の商店街を抜け、明治通りを渡った広尾病院の裏のあたりは閑静な住宅街。その一角に、この建物はある。割と遠くからでも目立つ。この物件は左右非対象にできている。そう、「アシンメトリー」。
アシンメトリーの美しさの理由の一つに、「未完成である」という事がよくあげられる。オフィスというものは、空間があるだけでは未完成である。その中に人がいて、働いて、初めてオフィスとして機能する。この建物は、誰かがそこで働いている姿があって完成する。夜が来て、それぞれのオフィスに明かりが灯ってこそ美しく見える建物なのだ。ブラインドがかけられていないのはそういった理由もある。実際、住宅街であるためか、人の目は気にならない。しかし、「見られている自分」というのを意識しながら働くというのも、自身の成長につながるのではないだろうか。
家具も文房具も今よりちょっとカラフルなものに買い替えて、照明は好きなデザイナーのものを取り寄せる。そしてお気に入りの服を着て、背筋をのばしてパソコンをたたく。そんな働く自分を想像する。となりのオフィスより多少散らかっててもいい。元々この建物はアシンメトリーなのだ。
EDITOR’S EYE
難しい事を書いてしまったが、単純に面白い建物である。屋上のルーフテラスは解放されていていつでも利用できる。ペットも相談可。なお、オフィスだけでなく、サロンも相談できるとこのこと。