EDIT
表参道を歩いていると、裏道に入ってみたくなるときがある。このへんの土地勘がなくても、ぐるぐると回遊しているといつの間にか表参道にひょっこり戻ってこれる。住宅街とは違って、人やショップなどの気配は感じながらも、自分のペースで街歩きを楽しめるのがこの場所の特権。歩くたびに新たな発見があり、働く街としては申し分のない場所である。
塀のある庭の真ん中に建つこの物件。中庭に囲まれた建物なんて、味気ないビルっぽさがなくて親近感が湧く。ビルの入り口は道路に面しておらず、中庭にそびえ立つ1本のクスノキに抱かれるように建物が建っている。そのクスノキはどこか神秘的で、アンテナを広げて周りを取り巻く“気”を集めてくれているようにも感じるのだ。建物の高さとクスノキの背丈が同じくらいなのは、不思議な因縁があるのでは…
開口部も多く明るい空間は、スケルトン渡し。荒削りな部分は多いが、ちょっと無骨なくらいの空間がちょうど良い。洗練された表参道の空気感とのギャップをつくり、変化を楽しむ。考えてみれば、自分の部屋が常に整然としていることもない。少しくらい雑多な方がむしろ居心地が良い場合だってある。自分たちなりのルールをきちんと決めて、居心地の良いオフィスをスタッフみんなでつくりたい。
EDITOR’S EYE
象徴的なこのクスノキを囲んで、ここが一息つく場所となる。建物の他のテナントさんと仲良くなれそうな予感。
「アットホームに、マイスタイルで。」これがキーワードになりそうだ。