渋谷オフィス | 隈研吾設計デザインビル
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>>LOCATION
大規模開発中の渋谷駅周辺。今後数年で今ある風景もさらにガラッと大きく変わっていくことであろう。そんな慌ただしく工事の進む渋谷駅前から、道玄坂を道なりに上る。最初は雑多で賑やかなこの通りだが、数分ほど歩くと、徐々に人通りも落ち着いてきて、上を向いて街路樹や空を眺めながら歩く余裕も出てくる。マークシティー裏出口を過ぎたぐらいからは大型のビジネスビルも並ぶようになり、路面には小洒落た大人な雰囲気の飲食店も増え始めたころ。ちょうど道玄坂と首都高がぶつかる交差点の手前に、この通りでは最もデザイン性に溢れ、個性的なこの建物が現れた。
>>SPACE
設計は新国立競技場の設計で知られる著名建築家、隈研吾氏によるもの。2017年に竣工したこの建物は、まるで街路樹の樹皮をモチーフにしているようなデザインで、一度見たら忘れることはない印象的な表情をしている。しかし、今回はそのビルが主役ではない。そんな建物の8F部分に、その外観にも引きを取らないような特別な空間があった。エレベーターが開いた瞬間から、その世界観をトップギア全開で迎え入れるこの空間。ガラス扉の先には、ガッチリ作り込まれたラウンジのようなスペースが贅沢に広がっていて、もはやオフィスというよりかは、カフェと言った方が正解だろうか。とは言え、奥にはしっかりとデスクスペースが準備されていて、レイアウト次第だが20名前後は収納可能。このスペースはノーマルなオフィス仕様のままなので、そのギャップに少し混乱するものの、顔となる部分には全力で力を注ぎ込み、逆にバックオフィスは肩の力を抜いて、全体にメリハリをつけている感じが悪くない。もちろん空間の色が強めなので、会社のイメージや好みは分かれやすい物件ではあるが、このテイストのイメージがハマる人には、きっとかけがえのないパートナー空間となるだろう。
>>WORKSTYLE
実はこの空間、現在の入居者が精魂込めて作り込んだオフィスで、今回の募集の主題は、この内装を居抜きで引き継いでくれる方を探している。ラウンジ部分ではカジュアルにクリエイティブな作業を。逆に仕事に集中したいときは奥のデスクで仕事のことしか考えないような、そんな空間のメリハリを活かした働き方がこの空間ではできそうだ。注意点としては、居抜き募集のリミットは1月中に入居の確定させること。また、原状回復義務も同時に次の入居者へスライドすること。正直かなり切羽詰っている状況だが、この空間で働くイメージは明確につけやすい分、即座に手をあげるかどうかの判断はできるんじゃないだろうか。入居して1年あまりで次のステージへ上がる移転ということもあって、かなり仕事運もよさそうなこの物件。空間だけではなく、そんな出世レースのバトンも繋いで、この空間で今後の成長にドライブをかけてはどうだろうか。とにかく時間がないので、我こそという方は、すぐに手をあげてほしい。
EDITOR’S EYE
正直、賃料はなかなか強気ではあるものの、この空間がセットと考えれば、比較的飲み込んで割り切ることもできるんじゃないだろうか。建物までは、マークシティーを抜けて行く方法もあるので、気分や寄り道によって、ルートをたまには変えてもいいだろう。