神宮前オフィス・店舗|緑が見えるコンパクト空間
EDIT
>>LOCATION
ヒルズにアップルストア、他にも多数のハイブランドのショップや有名店が立ち並ぶ表参道。通り沿いのディスプレイは常に変化しているから、日々歩いても飽きることがないだろう。対照的に、一本裏へ入ればそれらと同じ町内とは思えないほど静かな住宅街も広がる。そんな住宅街の中にも話題のコーヒーショップが点在したりと、感度の高さはさすがだ。そんな表情豊かな街の一角で、緑の奥にひっそりと隠れている空間を見つけた。
>>SPACE
今回ご紹介する空間はわずか30㎡ほどで、一見するとオフィスには向かなさそうなサイズ。壁や天井なども退去時のままで雑然としていて、なかなか手がかかりそうだが、見過ごすには惜しい空間だ。専用の入り口から中へ入ると、まず視界に入るのは壁一面に貼られた鏡。入って正面の壁一面にあることで空間に奥行きがあるように見え、実面積より広く感じられて第一印象が良い。その印象をさらに引き上げてくれる、全面植物で覆われたテラスから無条件に差し込む木漏れ日。スライド型のガラスサッシを開けると、葉音とともにより植物が身近に感じられ、表参道から徒歩数分のエリアであることを忘れてしまう心地よさがある。もともと店舗ベースの賃料設定で坪単価こそ高いが、面積は小さいからそこまで値も張らない。コンパクトな空間だからこそ、世界観徹底しつつを効率よく仕上げて、あえてオフィスに使ってみるのもアリだと思った。
>>HOW TO USE
壁や天井、エアコンに、できれば水まわりの修復と、初期工事は必要。しかし幸いにも面積が小さく、コンパクトで世界観を作りやすいから、仕上げにも家具にもこだわって、好みの内装に仕上げるにはむしろいい条件かもしれない。空間をより広く見せるためにも、今ある鏡の反対側の壁にも鏡を貼りつけても良いだろう。デスクはあえて背中合わせに置いて、鏡の奥行き感じつつ、顔を上げれば鏡越しにコミュニケーションも取れる。コンパクトゆえに、働く人たちの距離感も近いほうがよさそうだ。そんな仲間と自由な発想で意見を出し合って空間を作る作業を楽しみつつ、たかが30㎡の空間だからと見送った人たちを後悔させてしまうような、“されど30㎡”だったと思える空間を作り上げ、働く時間を楽しんでほしい。
EDITOR’S EYE
サッシを全開にして、ちょっとしたBGMを流せば、かなり気分がよさそうだ。道ゆく人も、植物越しにちょっと覗きたくなる。そんなオフィスに仕上げて欲しい。
近くにあるコーヒーショップやドーナッツ屋さんなど、かなり感度高めの良いお店なので、日々通って常連になれば、このエリアがもっと好きになることだろう。