EDIT
元々武家屋敷の多かったこの場所に、邸宅ほど大きすぎずオフィスにするにはぴったりな、雰囲気のある戸建を見つけた。
ガレージのシャッターは木調で、全体的にアットホームな印象。この景色だけ切り取ると、どことなくヨーロッパの郊外の一角に来てしまったような感覚さえ覚える。それもそのはずで、この建物の随所にはイタリア製の素材が使われており、ちょっと立ち止まってしまう不思議な存在感を醸し出している。
この建物のメインとなるのは2階にある29畳のリビングダイニングキッチン。よくよく考えてみれば、戸建においてリビングは家族の集まる一番核になる場所。日当たりや空間の抜け感など居心地良くつくられているはずなのである。今回は、そのメインスペースをその空間のまま、お客様を招くこともできるフリースペースにしてみたい。ある時は和室でスタッフが花を生けていたり、ランチ会が行われたり、その傍らで打ち合わせが行われていたりと、同じ空間の中で全く違う世界が同居している空間。思えば住空間では当たり前のことなのだが、オフィスでは役割ごとに空間を切ってしまいがち。敢えて戸建をオフィスにするなら、そんなスペースがあっても面白いのではないでしょうか。
そうなるとスタッフのワークスペースは1階と3階の個室、計4部屋になる。クリエイティブに集中したいときにはこの固定席を活用し、あとは2階のフリースペースを活用して働き方のスタイルを個々人で楽しんでもらいたい。
EDITOR’S EYE
青山一丁目に似つかわしい戸建物件。神宮外苑も近く、企業の本社も多い、はたらくこととあそぶことがバランスよく散りばめられた場所だ。そのバランス感をもって新しいオフィス環境をつくったら、はたらくことを楽しむ“オフィス”を皆でつくり上げよう。