上馬オフィス・店舗|スケルトン地下空間
EDIT
駒沢大学駅から徒歩3分。周辺には大学・病院があり少し歩けば駒沢公園と、まさに住む場所といったイメージだろう。今回の物件は246沿いを世田谷方面に徒歩数分、通勤通学時には多くの人が行き交う通り沿い。あまりオフィス需要の多い立地ではないが、稀に発掘されるポテンシャルを秘めた物件がある。今回の建物もそんな可能性を感じさせる物件だ。
ご紹介する区画は交差点の角に位置した建物半地下の空間。通りから数段下がったエントランスの先の室内には、綺麗に整えられたコンクリート躯体露の空間が現れる。よくあるスケルトン空間の様でもあるが、室内にはトイレ、エアコン、照明取り付け用のダクトレールが残されており、入居にあたっての身軽なスタートの可能性を感じさせてくれるはずだ。
天井の黒いレールは空間全体のアクセントになっており、どこか工業的な空間をさらに男前に引き締めている。荒々しさも感じさせながら、元々の整った雰囲気もあるので、エイジングした金属と古木を使いメンズライクに仕上げるのもよし、淡いフローリングと白い家具で清潔感のある仕上がりにするもよし、単なるオフィスとしてではなく、使用する部材の一つ一つにこだわり抜いた空間にしてみて欲しい。
この空間の1つの特徴でもあるのが、その独特な光の入り方かもしれない。中央にあるショーウィンドウのような窓ともう1カ所の窓はいずれも、区画の中央より奥に位置している為手前部分には窓がなく、全体を見渡した時に明暗がはっきりと浮き出るのだ。そんな特徴を活かして考えれば、「明」の方はスタッフの執務スペースとして明るく爽やかに働き、「暗」の方は簡易的なスタジオや、映像の試写室などで活用してみても良いだろう。シンプルな空間だけにある程度手を加える事は必須だとは思うが、企業にとっての明暗を分ける移転計画だけに、この空間を使いこなす名案をお持ちの方はぜひ。
EDITOR’S EYE
以前はスタジオ兼カフェが入居していた事も有り、酒類の提供のない軽飲食であれば相談も可能。中々にコスパの良い物件だけに思いきったチャレンジも許容されるはず。電車・車のどちらの場合でも利便性も悪くない。エリアの絶対的な縛りがなければ、一度見て頂いても損はないはずだ。