三宿オフィス・店舗|路面区画 スケルトン空間
EDIT
>>LOCATION
今回の物件はややエリアを外れ、世田谷区三宿。芸能人や業界人も多く訪れる界隈というイメージもあるが、池尻と三軒茶屋のちょうど中間程に位置する、どちらかというと生活の匂いのする街並みだ。そんな三宿の奥深くにあるこちらの建物は、なんとも顔の良い、どんな用途にもアジャスト出来そうな万能空間だった。
>>SPACE
前面通りから少し上がった、道行く人の視線の高さ丁度にフロアがあり、意図せずとも人目を集めてしまう視認性の良いこの物件。広いウインドウから明るさをふんだんに取り込んだ室内は、天井高3.5m弱で設備ゼロのスケルトン仕様。以前には飲食店だったこともある様で、むき出しの躯体からは独特の使用感を感じるが、気合を入れて作り込む前提で考えれば気になる程の傷みではないだろう。さらに、建物脇には別途料金だが2台分の駐車スペースがあり、エントランス前にも若干の余白部分が残されていたりと、通り一遍の利用でないアクセントのつけ方も可能で、想像を膨らませることの出来る空間と言えるだろう。
>>HOW TO USE
空調や水回りなどの設備的な負担は避けられないが、躯体や配管を丁寧に塗装し、ラフかつ気取りすぎないカジュアルな空間に仕上げてみるのも悪くないだろう。周辺の憩いの場所となる様なカフェや飲食店も良いだろうし、そのステージ上にある様な佇まいを活かし、店舗やショールームとして注目を集めてみるのも面白い。
撮影の時、通り側から空間を至近距離で眺めたら、室内が見えるのではなく、ガラスに反射した街並みが映った。少し大げさであるかもしれないが、そんな光景を目にして、ふとこの建物が街の一部に溶け込んだ様なそんな感覚を受けた。かつては、大きな工場もあり三宿の賑わいの中心でもあったというこの立地で、新たな目印として名乗りをあげ、存在感を持ちつつも街の一部に馴染んでいく、そんな場所になってくれると嬉しい。
EDITOR’S EYE
元々は日本でもトップシェアを誇るある製品の工場があり、その当時は三宿といえばこの場所とまで言われていた様だ。246と淡島通りの中間となり、抜け道のためか交通量も決して少なくない。新たな流れを起こす場所としては、申し分ないとも思えるだろう。